半健康・半病気状態の未病とは
今となってはめったに感じないのですが、
若いころ片頭痛持ちで、しょっちゅう鎮痛剤を飲んでいました。
もはや腫瘍があるんじゃないか、ということで色々検査をしたところ
西洋医学の検査では「病」ではなく
「脳はきれいです、ただの片頭痛持ちです。」
と医者に言われてなんともモヤモヤしたことがありました。
いや、とはいえ、この痛いのなんなんすか…と…
病気じゃなかったらよかった、じゃなくて、この痛みから解放してくれませんかと。
同じような事例としてよくお客様から伺うのが
「胃が痛くて胃薬が手放せないからカメラ飲んだけど、すごくきれいな胃です、と言われた」
「日中あまりに眠くて睡眠障害かなと思ったけど、病名つかなかった」
これがまさしく「未病」です。
耳鳴り
動悸
食欲不振
手足のしびれ
中医学的に考えると、病気が表に出てきていないだけであって、その痛みには必ず意味や原因があります。
病気とは診断されないが、健康でもない。
半健康・半病気の状態を、中医学では病気の一歩手前の「未病」と定義します。
私が一番最初に師のもとで中医学にふれたのは、
実は推拿(すいな)ではなくて
「一般社団法人 国際伝統中医学協会 未病治診断士」という学びでした。
心身に現れる不調や、顔色、舌の状態などからその原因を見定め、病になる前に健康を自分で維持できるようにアドバイスするための学びです。
健康(白)あるいは病気(黒)でなくて、
「今日は睡眠がよくとれているし、白が80%のグレー」
「今日は肩こりがひどすぎて、白が20%のグレー」
というのが私たちの健康状態だし、オセロの様にぱたっと白と黒が入れ替わるのではなくて、
一直線上にあって、じわじわと白と黒をいったりきたりするものですよね。
「黒」になる前のグレーをケアするのが未病ケアです。
『日経BP総研2030年展望 ビジネスを変える100のブルーオーシャン』という本を年末に読んでいたのですが、
「未病」対策
という項目が掲載されていました。
ビジネスとしてもこれからどんどん色々な資本が入ってきて研究が進んだりさまざまなサービスが提供されてくる分野ということですね。
ウェアラブルデバイスなど、未病を数値で測定するような商品も今以上にこの10年で増えてくると思います。
でも、一番大切なことは
「自分で自分の違和感を調整できるようになること」
です。
ちょっと耳の聞こえがよくないな、滑舌もわるくなってきたみたいだ。
いつもより早めに仕事を切り上げて今週はゆっくりしよう。
不調に気づいて自分で原因を見定めて、行動をする。
これが何よりの未病対策です。
そのまま放置していると、それがもとで本当の「病」になってしまいます。
それを未然に防ぐためにも、「中医学的健康チェック」で事前にご自身の心身の状態や体質を把握することで、疾病の予防、健康の維持増進のお役にたっていきたいなと思っています。
健康に不安のある方
お年を召した方
多忙な生活をされている方
は特に日頃のケアのために定期的な点検をおすすめします。