心と身体と環境のバランスについて(七情)
中医学では、だいたい一週間くらいの『外因・内因・不内外因』が、身体の今の状態を構成していると考えます。
『外因』…身体の外部から侵入してくる病邪
『内因』…心の変動などによって作られる後天的な体質
『不内外因』…外因にも内因にも分類されない、生活習慣による原因
この3つにより、その人の状態を判断します。
外因については下記にて説明をいたしました↓↓
http://ginzaspa50.com/中医学的養生法/心と身体と環境のバランスについて%ef%bc%88六淫%ef%bc%89
本日は内因について。
感情の変化は特定の臓腑を傷つけます。
行き過ぎた感情の変化は、気の流れや血の流れにも影響を与えます。
七情(ストレスが及ぼす体調変化)
ストレスで胃がきりきり痛む、というのは感情と臓腑との関係として有名ですよね。
『胃』だけでなく、他の臓腑にも影響が及ぶんです。
内因は【七情】といって、7個つの感情によってそれぞれ影響する臓腑が異なります。
また、すべての感情は行き過ぎると体にとってはストレスでして…
身体はバランスをとっていますから、他の臓腑への影響も及ぼし、
主訴となる不調へとつながっていきます。
『喜ぶ』…気がゆるむ
症状:喜びすぎると「心」を傷つける
陰陽五行の【火】が過剰になり、眠りが悪くなったり、精神集中がしにくくなったりします
『怒る』…気が上がる
症状:怒りすぎると「肝」を傷つける
陰陽五行の【木】が過剰になり、気血が急激に上昇したり、自律神経系の不調へとつながっていきます。
筋肉が硬直しやすくなり、肩こりや腰痛なども悪化しやすくなります
『思う』…思によって気は結ぶ
症状:思いすぎると「脾」を傷つける
くよくよと考えたり物思いに耽ると、気が停滞して、食欲不振や不眠、気力が出なくなってきます
『憂い・悲しみ』…憂いによって気が消失する
症状:憂い・悲しみすぎると「肺」を傷つける
「気」は身体を調整したり活力となりますから、免疫力が下がってガクッと大病を患ったり、肌荒れにもつながります。
『恐い』…恐がりすぎると気が下がる
症状:恐がりすぎると『腎』を傷つける
『驚く』…驚きすぎると気は乱れる
症状:驚きすぎると『腎』を傷つける
極度の恐怖感や驚きは、生命エネルギーの根幹である腎を蝕むため、一気に白髪になったり、婦人科系の病気になりやすかったり…施術していて感じるのは、骨までひんやりと極度に冷えます。
臓腑の不調が感情の変化を起こすことも…
七情は、感情が臓腑へと与える影響でもあり、
逆に、臓腑が感情の変化を起こすこともあります。
肝機能が弱っていたり過剰に負荷がかかっていると、怒りっぽかったり…
心臓や脳に負担がかかっていると、集中しにくく不眠がちになったり…
ということです。
身体はいろいろなサインを発していることがお分かりいただけたでしょうか!?
ご自身の、周りの大切な方の感情の変化は、ひょっとしたら臓腑からきていたり、
過剰になっている感情がある方は、臓腑に影響も与えてしまうかもしれません。
よく観察して、体調管理に役立ててみてくださいね。